今週の新刊
◆『あなたに安全な人』木村紅美・著（河出書房新社／税込み1837円）
意味深なタイトル『あなたに安全な人』を書いた木村紅美（くみ）は、すでに中堅の実力派。 長めの中編となる本作では、３・11を挟んで人生が大きく変わった一組の男女について語られる。
東京近郊で教師をしていた「妙（たえ）」が東北の街へ戻ってきた。亡き両親が住んだ家で一人住まい。ほとんど家から出ずに暮らす。この家に清掃業者としてやってきた「忍」も東京からのリターン組。彼もまた兄の家で孤立していた。
２人はそれぞれ過失にせよ他人の死にかかわっており、冷たい過去に傷つけられている。あの津波の日、ここにいなかった男女が、そのことに復讐（ふくしゅう）されるように気配を消して、やがて共に生活するようになるのだ。
からの記事と詳細 ( SUNDAY LIBRARY：岡崎 武志・評『あなたに安全な人』『泉麻人自選 黄金の1980年代コラム』ほか - 毎日新聞 )
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