Pages

Wednesday, March 27, 2024

「安心の基地」と「安全な避難所」…子どもの心の動きが見える「安心感の輪」の図(篠原 郁子) @gendai_biz - 現代ビジネス

アタッチメント(愛着)理論。これは、この社会で子どもに関わるすべての大人が知っておくべき考え方だと断言できる。子どもはなぜ、大人にくっついて育つのか。大人は子どもにとってどのような存在であるのか。これらを知ることは、すなわち、子どものこころの育ちのメカニズムを知ることにつながるからだ。

発達心理学者・ボウルビィが提唱したアタッチメントは、母子間の特別な絆と考えられがちだが、実際には子どもにとって重要なすべての大人との間に形成されうる。『子どものこころは大人と育つ アタッチメント理論とメンタライジング』(3月21日発売・光文社新書)では、主に乳幼児期の発達を中心に研究する心理学者の著者が、子どもが大人とのかかわりの中でどのようにこころを育て、生きる力を得ていくのかをやさしく解説する。

※本記事は篠原郁子著『子どものこころは大人と育つ アタッチメント理論とメンタライジング』から抜粋・編集したものです。

前回記事<「くっつくこと」は甘えや弱さではなく、むしろ「自立した心の成長を支えるもの」だといえるワケ>もご覧ください。

安心感の輪

それでは、大人と子どもの関係に注目しながら、実際にアタッチメント理論の内容を見ていきます。「理論」と言われると、ちょっと尻込みしますよね。しかも、アタッチメントは「絆」と説明される抽象的なものですから、いよいよ雲をつかむようなことになるのでは、と心配されるかもしれません。

photo by gettyimages

けれども、ご安心ください。本章では、アタッチメント理論の概要と視点を「安心感の輪」というイメージ図に基づき、示していきます。安心感の輪(Circle of Security)」は、グレン・クーパー、ケント・ホフマン、バート・パウエルという3人の心理臨床実践家により考案されたものです。Circle of Security Internationalという団体が管理し、オフィシャルサイトにも掲載されています。

それでは、この安心感の輪の図を、具体的に見ていきましょう。図の左側に、大きな右手と左手がありますね。この手を、大人の手、あなたの手だと想像してください。手から伸びている曲線をたどった先には、子どもの活動や出来事、経験があります。ここでは、子どもが興味を向けている樹木、木にぶら下がって遊んでいる様子が描かれています。この安心感の輪という図の中に、主人公である子どもの心と体の動きを重ねて、詳しく見ていきましょう。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「安心の基地」と「安全な避難所」…子どもの心の動きが見える「安心感の輪」の図(篠原 郁子) @gendai_biz - 現代ビジネス )
https://ift.tt/MxQisnt

No comments:

Post a Comment