埼玉県内で一~七月に発生した山岳遭難は四十五件で、一年間の発生件数が過去最多だった昨年の同時期を四件上回ったことが県警のまとめで分かった。自らの体力を十分に考慮した登山計画を作るなどの基本的な対策で防げる遭難を減らすため、県警は登山初心者に向けた啓発に力を入れる。(大久保謙司、足立優作)
県警によると、二〇一九年に五十件(遭難者五十九人)だった県内の山岳遭難は、二〇年は五十八件(同七十一人)、二一年は八十二件(同九十一人)に増加。二二年は八十七件(同九十七人)とさらに増えた。死者数も一九年が六人、二〇年が八人、二一年が十二人、二二年が十四人と歯止めがかからない。
今年は七月末までに四十八人が遭難し、二人が亡くなった。遭難者のうち十二人は登山歴が一年に満たない初心者だった。県警によると、全遭難者に占める初心者の割合は従来一割程度だったが、二一年以降は二割余りに上昇。新型コロナウイルス禍の中、密にならないレジャーとして登山の人気が高まった一方で、初心者でも挑戦が容易な標高の低い山が多い県内で遭難が増加する状況が浮かぶ。
県警は「ベテランの登山者と違い、初心者は遭難した場合に救助までの間に自らの身を守る知識が身に付いていない」(担当者)と初心者の遭難増加を警戒。啓発の充実を模索する。
その一環として、県警は「山の日」の十一日、久喜市の商業施設「モラージュ菖蒲(しょうぶ)」で登山初心者らに向けた山岳遭難防止キャンペーンを初開催する。午後二時から、「山岳系ユーチューバー」として活動する「たかくらや」さん、「もじゃまる」さんと県警山岳救助隊員らが登山の魅力と共に登山届の提出など安全対策の必要性を取り上げるトークショーを実施。会場では、救助隊員の装備品も展示して活動を紹介する。
同日朝には、秩父市の西武秩父駅や横瀬町の武甲山・一の鳥居登山口など計四カ所で、登山者に登山届の提出などを呼びかける啓発活動も予定している。担当者は「登山をする際に気を付けるべき注意点を多くの人へ伝えていきたい」と話した。
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