聞き手/杉山 俊幸(日経BP 総合研究所主席研究員)
労働安全衛生マネジメントシステムを運用し、全従業員が安全衛生活動に積極的に取り組む。温室効果ガスの削減目標を上方修正し、「省エネ・創エネ・再エネ」を推進する。
2021年度からスタートした「中期経営計画2025」で取り組むべき社会価値の1つに「安心安全な職場、拠点機能最適化」を挙げています。電子メーカーとしての狙いを教えてください。
増山 津二(ますやま・しんじ)
太陽誘電 取締役 副社長 第一事業本部 本部長
1980年太陽誘電入社。2004年執行役員 生産グループML商品 副グループ長、11年上席執行役員 電子部品事業本部長、13年取締役上席執行役員 電子部品事業担当、15年取締役常務執行役員 電子部品事業兼グローバルSCM担当、18年取締役専務執行役員 経営企画担当、20年より現職(写真:大槻 純一)
増山 津二 氏(以下、敬称略) 当社は経営理念の1つに「従業員の幸福」を掲げています。これを実現するには安全性、快適性、環境性能を備えた職場づくりを最優先しなければなりません。事故が多い会社では、お客様に安心して製品を買っていただけません。
中期経営計画の25年度目標は、太陽誘電グループ全体で「度数率(100万延べ実労働時間当たりの労働災害による被災者数)」を0.08未満、「傷病率(20万延べ実労働時間当たりの労働災害・労働疾病による休業者数)」を0.016未満と設定しています。
目標を達成するために労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)を運用し、全従業員が5M(マン、マシン、メソッド、マテリアル、メジャーメント)の視点で安全衛生活動に取り組んでいます。例えば、行動にばらつきの多いマン(人間)については、「安全行動意識の醸成」を目標に掲げています。
気候変動への対応強化も打ち出しています。
増山 中期経営計画2025のスタート時には30年度に温室効果ガスの排出量を25%削減(20年度比)としていましたが、2年目の22年度には42%削減に見直しました。
当社は工場にクリーンルームや焼成炉があるので、どうしても多くのCO₂を排出します。そこで「省エネ・創エネ・再エネ」を実行して温室効果ガスの排出量削減を進めていきます。まずは省エネです。製品の小型化を進めることは、商品価値を上げると同時に、材料の使用量が減り、それを作る際に出る温室効果ガスも削減できるのです。
積層セラミックコンデンサは0.25×0.125mmという世界最小サイズを達成しており、技術のハードルは高くなっています。生産の高効率化を行なえば、廃棄物や水使用量の削減も可能です。25年度には、いずれも20年度比で10%削減を目標にしています。
太陽光発電などによる創エネで必要な電力量を賄えなければ、社外から再生可能エネルギーを調達します。21年度のグループ全体の電力使用量は95万4000MWhで、そのうち購入分を含む再生可能エネルギー使用量は8万7000MWhで9%を占めます。
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