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Saturday, December 31, 2022

「赤ちゃんの遺棄や殺人を回避」「日本社会の安全網」…内密出産 ... - 読売新聞オンライン

 熊本市の慈恵病院で、医療機関の一部の担当者だけに身元を明かす「内密出産」を利用し、女性が初めて出産してから1年となった。蓮田健理事長は病院で記者会見を開き、「国がガイドライン(指針)をつくって存在を認め、大きな安心につながった。赤ちゃんの遺棄や殺人を回避するため、内密出産は非常に意義深い」と述べた。(岡林嵩介)

 慈恵病院は今年1月、国内初の内密出産が昨年12月にあったと発表した。これまでに7例を公表しており、現在も妊婦の相談を受けているという。子供の出自の問題を巡り、来年1月に熊本市と協議する考えも示した。22日の会見の主なやりとりは次の通り。

 ――1年を振り返って。

 「大きな転換点となる1年だった。内密出産が日本社会の一つのセーフティーネット(安全網)として形を成してきている」

 ――課題は。

 「何を出自情報とするのか、コンセンサス(合意)が得られていない。例えば赤ちゃんを育てられない理由や妊娠した理由を含むのか。いくつかの項目を熊本市に提示したい」

 ――ドイツのような法制度は必要か。

 「もちろん必要だが、実現には5、10年かかるだろう。税金投入など、かなりの議論になると思うので」

 ――想定外だったことは。

 「内密出産がこれほどの件数になるとは思わなかった。遠方から陣痛を伴って来ることもある。都道府県に一つずつあれば、危険性はずいぶん和らぐ」

 ――熊本市長が検証を行う方針を示した。

 「(市から)相談がないままでは、黒塗りの情報しか提供できない。内密出産は母子の安全な出産のため、匿名性を保障している。手続きとしてなじまない」

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