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Saturday, March 23, 2024

治水向上で安全な真備へ…西日本豪雨で水害の高梁川、付け替え工事完了 - 読売新聞オンライン

 2018年の西日本豪雨で、甚大な浸水被害が出た岡山県倉敷市真備町などを流れる 高梁たかはし 川と支流の合流点を4・6キロ下流に付け替える大規模工事が完了し、23日に完成式典が行われた。従来より標高が低い場所で合流するため、流れがスムーズになり、治水能力の大幅な向上が期待される。

 18年7月の西日本豪雨では、高梁川の水位が上昇し(地図中の1)、支流の小田川の水が合流できずにせき止められ、行き場を失ってあふれ出す「バックウォーター現象」が発生(2)。堤防が決壊して周辺の約4600棟が全壊し、市内で52人(災害関連死除く)が犠牲になった(3)。

 この地域では過去にも水害がたびたび起きており、国は14年、工事に向けた測量などに着手。当初は18年秋に着工し、10年間で完成させる計画だったが、西日本豪雨を受け、完成を5年前倒しすることとし、19年6月に本格着工した。

 事業費は474億円。山を掘削して新たに河道や堤防を整備し、既存の貯水池も利用して合流点を4・6キロ下流に移した。新たな合流点は従来よりも低地にあるため、小田川の水は流れ込みやすくなる。大雨が降ってもバックウォーター現象が起きにくく、国土交通省は氾濫リスクを低減できるとしている。

 工事は22日までに完了。23日の式典では住民ら約550人が完成を祝った。

 豪雨で浸水した「まび記念病院」の村上和春理事長(72)は「真備の人たちが安心して暮らすには必要不可欠な工事だった。より良い町をつくっていくため、協力したい」と述べた。

 町の活性化を期待する声も上がる。市によると、真備町の人口は豪雨前と比べ約1割少ない2万408人(今年2月末)。真備船穂商工会の中山正明会長(70)は「被災したため町を離れ、その後、戻っていない人は多い。安全になった姿を見てもらい、真備に戻ってきてほしい」と話した。

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