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Sunday, February 11, 2024

愛媛:安全な地域へ逮捕術磨く:地域ニュース : 読売新聞 - 読売新聞オンライン

 警察官が警棒などを使い、対戦相手を安全に制圧する「逮捕術」の大会が1月、松山市の県武道館で開かれた。県民や地域の安全を守るため、県警の警察官は日々訓練を重ねており、事件現場などでの実践に備えている。白熱した戦いぶりをリポートする。(黒岩美緒)

 逮捕術とは、自分の身を守りながら最小限の攻撃で相手を制圧する、警察独自の格闘技。事件現場で犯人が刃物などの凶器を持っている場合を想定し、素手対警棒、短刀対警棒など、複数の種目がある。

 試合の制限時間は各3分。選手は柔道着に専用のシューズ、面などを身につけ、打撃、当て身、投げ技などで「一本」を狙う。対戦相手から2~3本先取した選手が勝利となる。

 1月19日に行われた大会には、県警の警察官約180人が出場。個人試合と、警察署の規模などに応じてA~C組の3グループに分かれた団体試合の2部門で競い合った。

 県警本部や大規模署がエントリーする団体試合A組の決勝は、松山東署と松山南署の対決に。1チームから7人が出場し、計5種目を戦った。序盤から両者一歩も譲らない展開となり、5―6という接戦で大将戦を迎え、松山南署の福山陽祐巡査部長(32)が得意の 警杖けいじょう で鮮やかに2本先取し、優勝を決めた。

 激しい攻防の連続に、見守る同僚らが「一本取れるぞ」「ここからや」と大きな声援を送っていた。

 優勝した松山南署の大将、福山巡査部長に大会を振り返ってもらった。

     ◇

 逮捕術の試合に出たのは5年ぶり2回目。前回は団体試合でも個人試合でも全敗だった。今年は、警棒より長いつえのような「警杖」の扱いを見込まれてメンバー入りを果たし、団体試合の最終戦、短刀対警杖の大将を任された。

 わずかに優勢な状態で迎えた大将戦。1本目が早々に相手の右肩に決まった。試合中は中腰になることが多いため、スクワットやランニングで下半身を強化してきた成果が表れた。

 「やめ」の合図で試合が中断された後、相手が構えを変えた。打たれた右肩を隠すように引いたのを見逃さなかった。「体が空いている」。思い切り腕を振り下ろすと、快音が響いた。胴に見事な一本が決まった。

 「最後の胴で優勝が決まったんよ」。署に戻ると、祝福とともにそんな言葉をかけられた。途端に優勝の実感と喜びがこみ上げてきた。「今回得た自信を仕事の現場でも生かしていきたい」と力を込めた。

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