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Friday, October 27, 2023

安全なはずの統計情報がなぜ? 暴露された女性アイドルのプライバシー - 日経クロストレンド

「特定の個人を識別できない統計情報」という決まり文句をどこかで耳にしたことがあるはずだ。しかし、本当に統計情報は安全なのだろうか。本稿では、仮想の女性アイドルグループにおける事件を通して、統計情報からのプライバシー開示のリスクを紹介する。本稿で取り上げる「事件」はフィクションであり、実際の団体とは関係がない。しかし、統計情報からのプライバシー開示は確かに存在する。

(写真/Shutterstock)

(写真/Shutterstock)

 女性アイドルグループ「スタッツ!」において、長年にわたり不祥事が繰り返されていたことが判明した。本来1人一つしか許されない楽屋の弁当を、こともあろうか3つも食べていたメンバーが複数いたというのだ。

 「スタッツ!」は設立25年。これまでに在籍したことがあるメンバーは累積197人にのぼり、そのうちのかなりの数が本事案に関与していたことが判明する。本事案の検証のために第三者委員会が設置されたが、あくまでこれは再発防止が目的。当事者の糾弾となってはならない。そのはずであった。

 ところが、第三者委員会が公開した報告書から、思わぬ形で「スタッツ!」メンバーのプライバシーが開示されてしまうこととなる――。

 楽屋を宴会場と見まがうような奔放な女性たちの食欲と、それにまつわるプライバシー開示。統計情報に関するプライバシー保護のあり方について一石を投じた本事案は、のちに「令和版“宴のあと”事件」といわれるようになる(i)。その顛末(てんまつ)を追ってみよう。

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