東京電力は25日、福島第一原子力発電所周辺で採取した海水の放射性物質濃度が検出可能な濃度を下回り、異常はみられなかったと発表した。
東電は25日、配管で採取した海水のトリチウム濃度の分析値が「計算上の濃度と同程度であること、分析値が1リットル当たり1500ベクレルを下回っていることを確認した」と記者会見で発表した。日本のトリチウム濃度の安全基準は、1リットル当たり6万ベクレル。
24日の放出開始後に発電所から3キロ以内の10カ所で採取した海水のトリチウム濃度は、いずれの地点でも検出限界値(1リットル当たり約10ベクレル)を下回っていたという。東電は、「分析値が放出停⽌判断レベル(1リットル当たり700ベクレル)および調査レベル(1リットル当たり350ベクレル)以下であることを確認」したと説明した。
東電は今後約1カ月は毎日10カ所で海水を採取し、翌日に分析結果を公表する方針。さらにその後も、分析を続けていく方針という。
環境省も25日に11カ所で海水サンプルを採取しており、27日にも分析結果を発表するとしている。
国際原子力機関(IAEA)は24日、放出準備のための最初の希釈水から採取されたサンプルは、トリチウム濃度が安全な限界の範囲内だと示したと発表した。
東電は24日から、同原発の冷却に使用した処理水の海洋放出を開始した。
日本政府は、処理水は安全だとしており、多くの科学者が賛同している。IAEAも、放出計画を承認している。
多くの科学者らが、放出計画は安全だという当局の意見に同意している。しかし環境保護団体グリーンピースは、多核種除去設備(ALPS)として知られるこの濾過(ろか)プロセスは機能せず、膨大な量の放射能が海に放出されると主張している。
塩の買い占め、大使館が注意喚起
処理水の海洋放出は、近隣国や国内の漁業関係者から反発を受けている。
中国は24日の時点で、日本の水産物の全面禁輸を発表。日本の決定は「極めて利己的で無責任な行為」で、日本は「人類の未来の世代に傷口を広げている」と述べた。
日本にとって中国は、水産物の最大の輸出先。
中国ではまた、海塩が今後汚染されるのではないかという懸念から、塩の買い占め騒ぎが起きている。
国営の中国塩業集団は、海洋放水を受け、国内のいくつかの地域で人々が買いだめを急いでいたため、供給を強化したと述べた。
こうしたなか在中国日本大使館は、「不測の事態が発生する」可能性は排除できないとして、中国に滞在する日本人に対し、「外出する際には、不必要に日本語を大きな声で話さないなど、慎重な言動を心がける」よう呼びかけた。
また、「大使館を訪問する必要がある場合は、大使館周囲の様子に細心の注意を払って」ほしいとしている。
からの記事と詳細 ( 福島第一原発の海域のトリチウム濃度、処理水放出後も基準値下回る=東電 - BBCニュース )
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