全3638文字
SUBARU(スバル)が「ぶつかっても安全なクルマ」の開発を加速させている。その鍵を握るのは、ボディー骨格を全方位(前面、側面、後面)の衝突に対応させることである。同社は2021年10月に日本で発表した中型SUV(多目的スポーツ車)の新型「レガシィ アウトバック」に、最新の衝突安全技術を結集させた。
具体的には、同じプラットフォーム(PF)「SGP(Subaru Global Platform)」を適用する中型ステーションワゴン「レヴォーグ」のボディー骨格を改良し、全方位の衝突安全性能を高めた(図1)。新型レガシィ アウトバック(以下、新型アウトバック)のボディー骨格を取り上げ、衝突安全性能を進化させるスバルの取り組みを追う。
2030年に交通死亡事故ゼロ目指す
スバルは2030年に、自社の車両が関与する交通死亡事故数をゼロにする目標を掲げる。その70~80%は、同社の先進運転支援システム(ADAS)「アイサイト」で防げるとみる。残りの20~30%の死亡事故数をできるだけ減らすには、衝突安全性能の強化が避けて通れないという。
全方位の衝突安全に対応するためのスバルのボディー設計に対する基本的な考え方は、ボディー骨格を変形させる「クラッシュゾーン」と、変形させない「キャビン(乗員室)ゾーン」に分けて乗員を守るというものである。そのため乗員室ゾーンでは、引っ張り強さが980MPa級以上の超高張力鋼板の使用量を増やし、同鋼板を骨格の各部位に効果的に配置する。
SGPの考え方に基づくボディー骨格の「マルチロードパス化」(衝突荷重の伝達経路を増やすこと)も、衝突安全性能の向上に寄与する。例えば前面衝突時には、車両前部のクラッシュゾーン(エンジン室の部分)において、複数のロードパスを介して衝撃エネルギーを効率的に吸収しながら車両後方に逃がし、乗員室の変形を防ぐ。
フロントフレームを横方向に曲げる
衝突形態ごとの取り組みを見ると、前面衝突時にフロントフレームを水平方向(車両を正面から見たときの横方向)に変形させる。スバル車両安全開発部衝突安全第二課の和田芳雄氏は、「フロントフレームを横方向に変形させると、前面衝突時の減速G(加速度)を減らす効果がある」と説明する(図2)。減速Gを減らすと、衝突時の被害を軽減できる。
さらに、フロントフレームを横方向に変形させながら、水平対向エンジンを乗員室の下に滑り込ませる。新型アウトバックの開発責任者で同社商品企画本部PGM(プロジェクトゼネラルマネージャー)の村田 誠氏は、「乗員室に侵入させないように、エンジンの挙動を制御するのに苦労した」と明かす。
からの記事と詳細 ( スバル新型「アウトバック」、ぶつかっても安全な最新技術を結集 - ITpro )
https://ift.tt/liyXxnk


No comments:
Post a Comment