兵庫県尼崎市でJR福知山線脱線事故が起きた4月25日を前に、負傷者や家族でつくる「空色の会」は2日、川西市小花1の市民活動センターで「空色の栞(しおり)」を作った。JR尼崎など6駅に置いて8日ごろから無料配布し、安全安心な社会の実現を誓う思いを伝える。【亀田早苗】
栞は3月とこの日で計5000枚を作成。栞の表には、事故で重傷を負った福田裕子さん(38)が描いた風景画をあしらっている。裏には「たくさんの人が列車に乗っていました。/そして一変した日常…。/空は真っ青に澄み渡っていました。」と書かれている。
次女(36)が重傷を負った三井ハルコさん(66)は「次女は外に担ぎ出された時、空しか見えなかったという。事故に不釣り合いな真っ青な空は、多くの被害者の印象に残っている」と説明する。栞という言葉は折った枝が道しるべに使われたことに由来するとされ、「みんなが行きたかったところにたどりつけるよう」という思いも込められているという。
栞作りに参加し、1両目に乗車し軽傷を負った女性(49)は、すぐ近くに乗り、事故直前に伊丹駅であった列車のオーバーランの際には言葉を交わした女性が亡くなったと後で知った。自身も電車の音や揺れに恐怖を感じ、しばらくは乗り物に乗れなくなったという。「亡くなった人と大差のないところに私もいた。25日は事故を忘れないように、思い返す日にしている。事故を忘れない多くの人の目があってこそ、JRも同じことを起こさないと思う」と話した。
からの記事と詳細 ( 安全な社会実現を 福知山線脱線事故負傷者ら、「栞」5000枚作成 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
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