巨人が厳戒モードでキャンプインする。球界の新型コロナウイルス陽性者が1月だけで106人に上る中、チームは31日、急きょ空路の移動便を分散させ、全体ミーティングを中止にするなど感染対策を最優先させて2月1日に備えた。この日、宮崎入りした原辰徳監督(63)は、個人練習の割合を増やして感染リスクを少しでも下げる方針を示唆。困難と向き合いながら、スローガン通り「不屈」のキャンプを送り、V奪回への下地を整える。
すでにとっぷりと日は落ちた頃、原監督は宮崎の地を踏みしめた。「我々にとって大みそかであり、(2月1日は)元旦であり、だからね」。晴れやかな気持ちとは裏腹に、厳しい表情を崩さない。「球春到来」という明るいイメージに満ちた言葉からは異なった緊張感のあるキャンプイン前日となった。
新型コロナウイルス変異株のオミクロン株による感染拡大の脅威は当然、巨人にも及んでいる。1月に入って、選手・首脳陣では10人が陽性判定を受けた。25日にはルーキーの大勢(翁田大勢)、亀田の感染が判明。キャンプ1軍メンバーが宮崎入りした後にも井納らが陽性判定を受け、3人が濃厚接触者と認定されるなど、チームと隔離されたままキャンプを迎える選手もいる。
それを受け、巨人は厳戒態勢を敷いた。この日は外国人やキャンプ2軍選手、1、2軍首脳陣の約50人が4便に分散して宮崎に入った。また宿舎で全選手、首脳陣、スタッフが出席して行っていた全体ミーティングも中止に。一つの場所に全員が集まるというリスクを考慮した。
さらにはキャンプイン前日恒例となっている、選手、首脳陣そろっての宮崎神宮での必勝祈願も、今村球団社長が1人、チームを代表して行った。「義務としてこれ以上の新型コロナの拡大を防がなくてはいけない。いまだ収束していない状況でそれをいかに防いで、戦っていくか」と同社長は説明。キャンプ期間中は宿舎の食事会場も、人数を管理するため入場を順番制とすることを検討している。
キャンプ自体にも、コロナ対策を盛り込んだ。チームプレーを、練習開始から早めに凝縮させる形で行い、個別練習の時間を多く割く方針とした。指揮官は「チームプレーは早い時間に。免疫力が下がるのは決していいことではないので、みんなで一緒に動く時間は避け、その辺から個々の時間を持たせる」と説明。ハードな練習で疲労がたまり、免疫力が低下するタイミングでは全体での動きを避ける。
今年のテーマとして、新しい力で新しい巨人を作ることを掲げる指揮官。重要な春季キャンプで、チームの歩みを止めてはいけない。「そこは人事を尽くしてね。安全な形で、しっかりと汗を流せるように。全てにおいて前向きに行かないとね」。厳戒態勢で迎える球春でも、グラウンド内での厳しさは例年以上だ。秋広、中山、堀田、山崎伊ら投打の有望株がどれだけアピールできるか。中田、梶谷ら捲土(けんど)重来を期すベテランも腕をぶし、激しく火花を散らすことは必至。いかなる困難をも打破する「不屈キャンプ」が幕を開ける。(西村 茂展)
◆例年は…
▽移動 合同自主トレ組は1月下旬に宮崎入り。同31日に首脳陣と2軍メンバーが宮崎へ移動。
▽到着セレモニー 首脳陣や助っ人勢が到着後、宮崎空港で歓迎セレモニーを実施。
▽必勝祈願1 1月31日に首脳陣、1軍メンバーが宮崎神宮に参拝。例年は50人程度。その後、宮崎入りしているメンバーは全員、選手宿舎で行われる全体ミーティングに参加する。
▽必勝祈願2 恒例行事として、練習前に1軍、ファームの全員が青島神社を参拝。首脳陣、選手は絵馬に今季の目標やテーマを記す。
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