航空機の安全に影響を及ぼしかねない状況が明らかになりました。
ことし、成田空港の滑走路がカメの影響で一時閉鎖された問題で、NHKが滑走路脇にある池を取材したところ、外来種とみられるカメが多数繁殖していることがわかり、専門家は、「侵入防止の対策を早急にとる必要がある」と指摘しています。
ことし9月、成田空港の滑走路でカメが歩いているのが見つかり、安全な運航に支障が出るおそれがあるとして、一時、滑走路が閉鎖されました。
成田空港会社によりますと、このカメは繁殖力の強い外来種のミシシッピアカミミガメ通称「ミドリガメ」とみられ、滑走路脇にある調整池で生息していた可能性があるということです。
今回、NHKが許可を得てこの池を取材したところ、同じ外来種とみられるカメが多数、甲羅干しをしていて、繁殖していることが確認されました。
池と滑走路の間にフェンスなどはなく、これまで成田空港でカメが見つかるケースは年間1、2件でしたが、今年度はすでに4件相次いでいるということです。
元パイロットで航空評論家の小林宏之さんは、「鳥が航空機に衝突する『バードストライク』は時々あるが、カメは甲羅が硬いためバードストライクよりも危険性が高まるとみられる。夜間は見つけられないおそれがあり、航空機の安全運航を考えると侵入防止の対策を早急にとる必要がある」と指摘しています。
外来種とみられるカメが多数見つかった成田空港の敷地内にある調整池はA滑走路のすぐ脇の一般の人は立ち入れない制限エリアにあります。
昭和53年の開港前に造成されたこの池は、大きさおよそ10ヘクタール、深さおよそ3メートルあり、空港内に降った雨水を川に流す量を調整する役割があります。
成田空港会社によりますと、池の中にいる生物の調査は行われておらず、今回見つかったカメの生態は把握できていないということです。
成田空港会社滑走路保全部の白井聡マネージャーは、「滑走路へのカメの侵入について現時点で経路は特定できていないが、従来からの滑走路の点検に加えてほかにできる対策がないか検討したい」と話していました。
ことし9月、成田空港の滑走路でカメが歩いているのを見つけた日本航空の副操縦士、橋重利さんは離陸する直前に滑走路に異物がないか確認したところ左前方にカメを発見したということです。
その後、カメが滑走路の中央に向かって歩いてきたため、後に続く航空機のエンジンに吸い込まれると事故につながりかねないとして、管制官に報告し、その後、滑走路が閉鎖されました。
橋さんは「鶴がシンボルマークの日本航空の航空機の副操縦士としては、カメは縁起がいい動物だと思っていますが、滑走路に侵入することはなくなってほしい」と話していました。
からの記事と詳細 ( 成田空港 滑走路脇で“外来種”カメ繁殖 安全な運航に影響も|NHK 千葉県のニュース - NHK NEWS WEB )
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