視覚障害者 が 駅構内 を安全に 移動 できるようサポートするナビゲーションシステム「shikAI( 視界 )」が、東京メトロの一部の駅などに 導入 されています。開発した会社「LiNKX(リンクス)」の 代表取締役会長 、 小西祐一 さんと、プロジェクトマネージャーの 田中尚行 さんに、開発の 背景 をオンラインで 取材 しました。
視覚障害者がホームから転落するなど、 痛 ましい 事故 はなかなかなくなりません。shikAIは、駅の点字ブロックに 貼 られたQRコードに、アイフォーンのアプリを開いてかざすと、 目的地 まで音声で 誘導 してくれるシステムです。
東京メトロが新しい事業を 募集 したコンペに 参加 したことから 実現 したもので、今年1月、有楽町線 辰巳 駅や 新木場 駅などの5駅に 初 めて、 設置 されました。 現在 は、計9駅に 設 けられているほか、 東池袋 駅と 豊島区役所 や豊島区立中央図書館を結ぶルートなど、駅以外の場所にも設置されています。
日本 発祥 の点字ブロックは、道路や駅など、様々な場所に 整備 されています。視覚障害者は、 白杖 で点字ブロックの 凹凸 を 確認 しながら、歩行します。点字ブロックには、「このまま進んで」と伝える、 線状 の「誘導ブロック」と、「何かあるよ」と伝える、丸が集まった「 警告 ブロック」の2 種類 があります。
shikAIでは、警告ブロックの真ん中に約10センチ四方のQRコードが貼り付けられています。アイフォーンで読み取ると、「右3メートル」「直進10メートル」などの音声が流れて、どちらへ向かえばいいのか教えてくれるようになっています。
QRコードは、1駅につき、1500枚ほど設置されているそうです。「どのQRコードからも目的地に向かうことができるように、上下左右の方向をミスなく、設置するようとても気を使った」と、田中さんは言います。アイフォーン向けに作られているのは、画面読み上げ 機能 が 標準装備 されていて、視覚に障害を持つ方でアイフォーンを使っている人が多いという現状を 考慮 したからだそうです。
shikAIの開発が動き出したのは、2016年の 年末頃 。「視覚障害者の方の 要望 に 応 えたい」(小西さん)と、のべ約450人の視覚障害者の意見を聞きながら、 模擬 駅などで 実証試験 を 繰 り返しました。正しい方向をどのように示すか、歩行に集中させながら 道順 をどのようにして伝えるかなど、使いやすいよう、 試行錯誤 しながら、進めていったそうです。
階段 前などの 危険 がある場所や、 分岐 点などには、すべてQRコードが貼ってあります。工事中など、駅がいつもと 違 う 状況 になっている時は、 仮設 の点字ブロックを 敷 いて、 対応 するそうです。
「リンクス」では、テクノロジーの力で「全ての人が安心して生活できる世界」の実現を目指し、shikAIの 発展 を 掲 げています。ほかにも、社会問題の 解決 に 挑 む様々なプロジェクトを進めています。
私たち小中高生に向けたメッセージとして、小西さんは「自分が大好きなことを見つけ、追究すること、そして、みんなが 困 っていることを問題として解決していくことが大切」と話してくれました。田中さんも「何事にも 好奇心 や 疑問 を持つこと」の大事さを語ってくれました。shikAIのように、みんなが安心して 暮 らせるような仕組みが広がって、それと同時に視覚障害者への心の配慮も広がっていけばいいと思いました。
私 がたまに 利用 する駅で、点字ブロックについたQRコードを見かけたことから、この取材が実現しました。この記事が、多様性を 認 め合える社会の実現の一助となることを 願 っています。また、高校2年生として、進路を考える時期でもあるので、小西さん、田中さんの小中高生へのアドバイスを参考にしながら、自分の 将来 について考えたいと思っています。(池田)
★企画者・ 池田麻里子 記者(高2)、 児玉虎乃輔 記者(高1)、 都島歩 記者(中2)、 増沢宙大 記者(小5)
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