足尾銅山鉱毒事件の解決に尽力した佐野市出身の政治家田中正造(一八四一〜一九一三年)関連の資料を収蔵する佐野市郷土博物館は、正造の生誕百八十年と明治天皇直訴百二十年を記念したクリアファイル(二枚一組三百円)を一千セット製作した。
一点は一九一二年に撮影された晩年の正造の写真に、「真の文明ハ山を荒(あら)さず」から始まる正造日記中の有名な一文を添え、もう一点は〇一年の直訴状を三段に分けて印刷した。
「謹奏」から始まる直訴状は、渡良瀬川流域に広まった鉱毒の除去、足尾銅山の鉱業中止を政府に命じるよう明治天皇に要望している。四十二カ所におよぶ正造の修正書き込みも見て取れる。
茂木克美館長は「今年は正造研究者にとって節目の年。弱者に寄り添った正造の生き方をコロナ禍の今こそ見つめ直すべきではないか」と話す。
館内販売用に製作したが、現在は新型コロナウイルスの感染拡大で九月十二日まで休館している。希望者には郵送で販売する。問い合わせは同館=電0283(22)5111=へ。(梅村武史)
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