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Saturday, August 28, 2021

【緊迫のアフガン】安全退避に全力を尽くせ - 西日本新聞

 イスラム主義組織タリバンが復権したアフガニスタンで、懸念されていたことが現実となった。首都カブールの空港付近で自爆テロが発生し、米兵やアフガン人ら多数の死傷者が出た。

 米軍はタリバンと対立する過激派組織「イスラム国」(IS)系勢力の犯行と断定した。タリバンがカブールを制圧した15日以降、出国しようとアフガン市民や在留外国人が空港に殺到するさなか、テロは起こった。

 タリバンの支配から逃れるため国外を目指す人々の命が危険にさらされている。日米欧などアフガン戦争やその後の復興に関わった当事国は安全確保を働き掛け、早期の退避実現に全力を挙げなければならない。

 アフガンの市中では銃を持つタリバンの戦闘員が監視し、抗議デモに発砲するなど市民を威圧する行動が相次ぐ。人々を恐怖に陥れている光景は、タリバン幹部が復権後に示してきた融和姿勢とは懸け離れている。

 国内経済は中央銀行の在米資産が凍結され、海外の援助も止められるなど混乱を極める。

 武力で実権を掌握した上、人権侵害が横行する現状ではタリバンの支配は正当化されない。タリバンが望む国際社会からの承認や支援は遠のくだけだ。関係国はそう説得すべきだろう。

 アフガンに残る邦人や日本大使館の現地職員らの退避は急務である。政府は支援対象を最大約500人と見込み、中継拠点を隣国パキスタンに置き、自衛隊機などを派遣した。自衛隊にとって経験のない任務だ。

 アフガン国内で自衛隊の活動はカブールの空港に限られる。治安悪化や戦闘員の検問で支援対象者が自力で空港にたどり着くのが困難になっている。

 米国は駐留軍の月末撤退の方針を変えていない。大きな制約となるが、政府は安全な退避に万全を期したい。

 韓国は大使館職員や政府機関職員などアフガン人390人を移送し、長期滞在ビザを給付する法改正に着手した。欧州諸国やカナダも相次いで退避作戦の終了を発表している。

 日本の出遅れは否めない。タリバン復権後、日本人大使館員は現地スタッフや在留邦人を残したまま英国軍機で脱出した。外国への協力者に対するタリバンの敵視姿勢を考えると、その対応には人道的な問題がある。

 政府が自衛隊機派遣を表明したのもタリバンの実権掌握から1週間後だった。もっと早い判断はできなかったのか、政府の初動対応は検証が必要だ。

 日本はアフガン戦争で米軍を後方から支援した。その後の復興支援で日本と協力し母国を離れる人々をいかに処遇するか。その検討も急ぎたい。

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