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Friday, August 13, 2021

大雨とコロナの「複合災害」安全な避難のポイントは - 西日本新聞

 記録的な大雨が続く九州では13日も各地で避難所が開設された。新型コロナウイルス感染の急拡大で「複合災害」が現実味を帯びる。専門家はホテルや知人宅などへの「分散避難」の重要性を訴え、「行き先を家族で話し合い、先々では感染予防を徹底してほしい」と注意を呼び掛ける。

 同日午後、熊本市西区の西部交流センター。土砂崩れを心配した高齢者ら13世帯18人が避難していた。本来避難所に指定されている隣の体育館がワクチン接種会場になっているため、急ごしらえした。

 市職員が受付で検温・消毒を実施。飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、家族ごとに段ボールで仕切ってスペースを設けた。11日から身を寄せる70代女性は「雨水が自宅の玄関まで来た。コロナは怖いが、災害はもっと怖い」と声を震わせた。

 感染力の強いデルタ株の流行で、避難所では「3密(密閉、密集、密接)」の回避が求められる。松尾一郎・東京大大学院客員教授(防災行動学)は「できれば1人当たり4平方メートルを確保し、十分な換気が大切」と指摘する。

 体調の悪い人やコロナによる自宅療養者の利用も想定され、可能な限り部屋を分けることも鍵になる。「ウイルスを含んだほこりを吸わないよう床で寝ないでほしい。高さ30センチ以上の段ボールベッドが有効」と松尾教授。

 避難先に感染予防グッズを持って行くと安心につながる。中身は体温計やアルコール消毒液、上履きなどだ。「できるだけ他人と物を共有しない」(松尾教授)のもポイントという。

 避難所だけでなく、ホテル利用のほか知人宅や自宅の2階以上に移動する「在宅避難」も有効。いったん避難しても、雨が小康状態だからと自宅に戻るのは危険を伴う可能性もあり、慎重に判断してほしいという。松尾教授は「家族みんなで過ごせるホテル避難をしやすくするため、行政は宿泊料の補助に取り組むべきだ」と提案する。

 松尾教授らは今月、感染禍における避難の在り方の手引をまとめ、NPO法人「環境防災総合政策研究機構」のホームページで公開中。 (一瀬圭司、西村百合恵)

差別排除へ啓発を

 有馬淑子・京都先端科学大教授(社会心理学)の話 自治体には避難所での抗原検査を実施してほしい。比較的早く感染の有無が分かり、陰性を確認することで避難する人たちの不安も和らぐ。たとえ感染が疑われる人が出ても差別はあってはならない。ワクチン未接種の人を排除するような言動にも注意が必要だ。感染は誰にでも起こりえることを自治体が文書で配布したり、避難所のリーダーが口頭で伝えたりするなどの具体的な啓発が重要になる。

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