「千寿園」に献花台 「早く安全な球磨川流域を」 九州豪雨1年 - 毎日新聞 - 毎日新聞

豪雨被害で入所者が犠牲になった特別養護老人ホーム「千寿園」を訪れて献花し、手を合わせる遺族＝熊本県球磨村で2021年7月3日午後1時4分、平川義之撮影

　熊本県を中心に甚大な被害をもたらした九州豪雨は4日、発生から1年を迎える。入所者14人が亡くなった同県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」には3日、献花台が設置され、遺族らが犠牲者の冥福を祈った。

　球磨川と支流の合流点近くにある施設は昨年7月4日、川の氾濫で1階が水没した。死亡した井上カズ子さん（当時85歳）のおい（66）は兵庫県三田市から訪れ「苦しみながら亡くなったのかと思うと涙が出る。安らかに眠ってほしい」と話した。熊本県の蒲島郁夫知事も献花し「悲劇を繰り返してはならない。なるべく早く安全な球磨川流域を作りたい」と語った。

　千寿園は今年4月、同県人吉市の仮施設で事業を再開した。後藤竜一施設長は取材に「犠牲者とご遺族に心よりお悔やみ申し上げ、大変申し訳なく思う」と語った。

　3日は静岡県熱海市で大雨による大規模な土石流被害が発生した。1年前に球磨川支流の土石流などで被災した球磨村神瀬（こうのせ）地区に住む伊高（いだか）京子さん（68）は「去年の記憶がよみがえり胸が痛む。被災された方たちが無事でいてほしい」と祈った。【城島勇人】

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