
格ゲー、FPSからカードゲーム、MOBA……。様々なジャンルのeスポーツのなかでも、音ゲーは異端な存在だ。 その理由の一つは、「上限が存在する」こと。 ギタドラの「エクセ」、SDVXの「PUC」、IIDXの「全ピカ」……すべてのノーツをパーフェクトに処理すると、スコアの上限「理論値」に到達する。 KAC(KONAMI Arcade Championship)という全国大会の音ゲー部門においても理論値、満点を出し続ければ優勝できる。 そして、「対戦ゲームとして設計されていない」ことも一般的な音ゲーの特徴だ(ポップンにはそういうシステムがあるが、マイナーな要素だ)。 たいていの音ゲーのシステム上、相手のプレイを妨害できない。対戦相手は隣にいる人というよりも、譜面という公式より出されたお題に対する戦いであり、場の空気に飲まれないように精神を保つ自分との戦いなのだ。 要するに、音ゲーは大会でも普段遊ぶときでも「上達への試行錯誤と自分自身との戦い」を楽しむゲームってことなんだけど……。じゃあ「腕前が上達しなくなったり、調子が良かったときに出せたハイスコアを抜けなくなったりしたらどうするの?」って思うことでしょう。 その質問、ポップン歴19年のおれが答えましょう。 ……どうすればいいんですか?
音ゲーの「呪い」
ポップンにおけるおれの大きな目標は「レベル49制覇」だ。 クリア状況は残り5曲。「あとちょっとじゃん」と思われるかもしれないが、クリアできないまま10年経った曲(リナシタ)などが立ちふさがっている。 「10年経ってもクリアできない楽曲がある」のは、他ジャンルのゲーマーからしたらピンとこない話だろう。きっと「クリアできるまで何度もチャレンジすればいいのでは?」って思うことでしょう。おれもそう思う。 しかし、こと音ゲーに関してはその思考は悪手になりうる。玉砕覚悟で挑み続けると、譜面に「呪われる」からだ。 「呪い」はおれがそう呼んでいるわけじゃなくて、音ゲー界隈ではよく聞く言葉だ。音ゲーにおける「呪い」とは、「特定の楽曲・特定の箇所がクリアできないうちに悪い癖がついてしまう現象」の俗称である。 呪いを受ける楽曲は人によって異なるが、その人にとってまったく手出しできない曲ではない。ところどころ押せてしまうからか止め時を見失う。諦めずにプレイし続けているうちにその「できない押し方」が癖になる、体が覚えてしまうことを呪いと呼んでいるのだ。 そうした押し方を続けていると癖を自覚するようになり、癖を克服しようと力んでしまって緊張してクリアが遠のき、精神的にも負け癖がついてしまう……。 もちろん「呪い」の予防・治療法はある。それは「該当する曲のプレイや譜面研究を控えること」。これなら癖がつかずに済むのがだが、プレイヤーからしたら「あともう一歩がんばったらクリアできそうなのに!」と焦るのをぐっと我慢しなければいけないのは辛いものがある。 クリアしたい曲の攻略方法が「プレイしないこと」なんて、他ジャンルのゲームじゃあまりないことだ。 高難易度譜面は「似た傾向の別の譜面」をプレイして少しずつ自分の地力を高めるのがメジャーな攻略方法なのだ。 この文章を読んでいる音ゲーの腕前が伸び悩んでいる人、絶対大丈夫だから。 もし「似た傾向の別の曲」で練習しても目当ての曲がクリアできないときは、気分を変えて自分の好きな曲をプレイしてみてください。 「乱打力」「階段力」「低速耐性」「左右振り耐性」……。どんな曲をプレイしても無駄になることはなく、目には見えずとも腕前がほんの少しずつ加算されていきます。 そして、思い出したように目的の曲をプレイしてみたら、すんなりと……ってパターンもよくある話だ。初回記事「音ゲーで2年クリアできなかった曲がマスクとかのおかげで突破できちゃった話」で難曲をクリアできたのは脱力だけでなく、久しぶりにプレイしたからって理由もあったのかもしれない。 長い時間がかかっても安心してほしい、おれは挑戦しはじめて10年経ったけど、当然まだ目標を諦めちゃいない。 ぜひ、「呪い」にかからないよう、目標の曲とは適切な距離を保ってお付き合いしてほしい。 ……ん? なに? 「どうすればいいんですか? って言ってた割にはちゃんと答えがあるじゃないか」って? あぁ……。 高難易度譜面は「似た傾向の別の譜面」をプレイすることで少しずつ自分の地力を上げていくのがメジャーな攻略方法だ、って言ったよね。 あれ、「高難易度譜面」の話で……実は「超高難易度譜面」は「似た傾向の別の譜面がない」んだよね。 だからおれは10年もクリアできないんだよね……。 ……どうすればいいんですか?
【著者紹介】デビルアクマ
WHITE ALBUM2のオタク ポップンミュージック好きが高じて絵を描き始めたTwitterのオタク。マシーナリーとも子とハンバーガーとは色んなゲームを一緒に遊ぶ仲。学生時代の大半をゲームセンターで過ごしたが、知り合いが一人も出来なかったことを今も引きずっている。好きなコンポーザーはTOMOSUKE。
デビルアクマ
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