
東京オリンピックの開幕が来月に迫る中、開催に伴う新型コロナウイルス感染リスク拡大への懸念が日増しに高まっている。政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家は近くリスク評価の提言をまとめるほか、国際オリンピック委員会(IOC)なども感染防止対策の「プレーブック(規則集)」を改定し対策を強化するとみられるが、感染リスクを下げた五輪は本当に実現できるのか。
【渡辺諒、岩崎歩/科学環境部】
米科学誌「厳密なリスク評価に基づいていない」
東京五輪・パラリンピックでは、海外から来る選手らの多くはワクチンを接種し、PCR検査陰性の証明書を持って、空港でも検査を受ける。一般の人と交わらずに選手村や宿舎に入るほか、練習会場と試合会場以外は、外部の人との接触を限りなく減らすように極めて厳しく行動が制限されることになっている。IOCと大会組織委員会は感染力が強い変異株にも対応するため、選手や大会関係者向けの感染防止対策の規則集「プレーブック」の第2版を4月に公表。検査体制や行動ルールなどをより厳格にした。
だがこのプレーブックについて、米ミネソタ大の研究者らは5月、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで、「科学的に厳密なリスク評価に基づいていない」と見直しを求め、「五輪の中止が最も安全な選択肢かもしれない」とまで踏み込んだ。
具体的には、競技や会場ごとに対策が考えられておらず、定期的な検査や、マスクなどの限界を認識していないなどと指摘。海外選手らに使用を求める予定の行動調査用のスマートフォンアプリも、「スマホを持って競技に参加する選手はほぼいない」とし、センサーを備えた装着型装置が適切だとしている。
感染リスクを下げながら、五輪を実施することは可能なのか。専門家は対策の「盲点」を指摘する。
スーパーコンピューター「富岳」を使い、感染リスクのシミュレーションなどを行っている理化学研究所チームリーダーの坪倉誠・神戸大教授(計算科学)は「五輪だからといって特別、他のスポーツイベントに比べてリスクが高いわけではなく、どこまでリスクを下げるかによって対策の強弱は変わってくる…
からの記事と詳細 ( 安全な五輪は可能なのか 専門家が指摘する、対策の盲点 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
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