東京五輪の開幕まで100日を切った4月下旬、警視庁は新宿・歌舞伎町や池袋、渋谷といった、いわゆる「盛り場」で、悪質な客引きなどの一斉点検に踏み切った。五輪・パラの延期の要因となった新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)で海外からの観客受け入れは断念が決定。「世界一安全な日本」を海外にアピールする絶好の機会は「見せ場」を失いつつある。だが、治安に直結する盛り場の環境浄化は五輪の成功のカギを握ることは間違いなく、警視庁は開幕に向けた取り締まりを強化している。
4月23日、歌舞伎町などでは警察官らが悪質な客引き店や、ぼったくり店などに関する情報提供を求めるチラシを配布。違法な客引きやスカウトをしたとして都迷惑防止条例違反容疑で4人を現行犯逮捕した。「取り締まりにやりすぎはない。善良に店をやっている人がいる中で、悪質な客引きは街にはいらない」。五輪・パラの盛り場対策を担う生活安全部理事官の児玉宏警視(59)は断言する。
■放置は環境悪化招く
警視庁は開幕に向けた「地ならし」として、生活安全部、組織犯罪対策部、刑事部といった庁内の縦割りを排除し、暴力団の事務所情報や違法風俗店の営業情報などを、盛り場対策を担当する児玉さんらに集約する体制を敷いた。加えて児玉さんも月に1、2回は自ら私服で繁華街を歩き、暴力団や客引きらの「生」の情報を集めている。
五輪開催の参考になるとされた、一昨年のラグビーワールドカップ日本大会を機に、盛り場一斉対策日を設定。防犯協会と違法な客引きをやめるように呼び掛ける活動を定期的に行っている署も出てきている。
盛り場は、社会情勢の変化とともに、街の様相をめまぐるしく変えるといわれており、児玉さんは「常に手を入れないと環境は悪化する」と懸念する。
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